
今回のテーマはビルトインガスコンロ

そんな風に悩んでいる方は、実はとても多いんです。
私は、住宅設備のプロとしてこれまで何百件ものビルトインガスコンロを交換してきました。
実際の現場では、新築でも下位モデルが付いていて「え?これで標準?」と驚くことも珍しくありません。
せっかく買い替えるなら、「後悔しない機種選び」をしてほしいのが正直なところです。
そこで本記事では、
お掃除効率や機能の違いが分かりにくくて困っている方に向けて、
「これだけは押さえておきたい5つの選定ポイント」 をプロ視点でわかりやすく解説します。
最上位モデルまでは不要だけど、「掃除がラク」「便利機能がちゃんとある」そんな1台を選びたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
「掃除のしやすさ」や「構造」、そして「最新モデルとの違い」まで正直レビューします。
設備業者としてのプロ視点も交えながら、購入前のモヤモヤをスッキリ解消していきます!
本記事の信頼性

この記事は、住宅設備の現場に15年以上携わり、数百件以上の設置・交換を行ってきた筆者が執筆しています。
第二種電気工事士・給水装置工事主任技術者の資格を持ち、電気・水道の知識を踏まえた正しい施工や注意点を解説。
さらに、実際に設置・使用している立場から、現場目線 × 利用者目線でリアルなレビューと選び方のポイントをお届けします。
掃除しやすいガスコンロを選ぶポイント

日常的に使うものだから掃除がしやすいというのは見逃してはいけません。
では、掃除のしやすいポイントはどこにあるのかを見ていきましょう。
ガラストップ or ガラスコート or ホーロー?違いと選び方
ビルトインガスコンロを選ぶうえで、天板の素材は見た目だけでなく「掃除のしやすさ」「耐久性」「価格」にも関わる重要な要素です。
家庭用コンロの天板でよく使われているのは、次の3種類:
- ホーロー
- ガラストップ
- ガラスコート
それぞれの違いをプロの視点からまとめました。
項目 | ホーロー | ガラストップ | ガラスコート |
---|---|---|---|
主素材 | 金属にガラス質を焼き付け | 強化ガラス | ホーロー鋼板にガラス質をコート |
掃除のしやすさ | ◎ ふき取りやすくこすり洗いも可 | ◎ つるつるなのでさっと拭くだけ | ◎ 汚れに強く、ガラストップに近い |
強度・耐衝撃性 | 〇 熱・傷・衝撃に強い | ▲ 衝撃に弱く、割れるリスクあり | ◎ 衝撃に比較的強く、割れにくい |
見た目・美観 | × やや無骨 | ◎ 光沢があり、高級感もある | 〇 光沢あり、やや落ち着いた印象 |
価格帯 | ◎ 手頃 | ▲ 中価格帯~高価格帯 | ◎ 比較的リーズナブルでコスパ良好 |
その他 | × 表面が欠けると錆びる | ◎ 掃除がラクだしデザイン性良し | 〇 ガラストップの実用性+ホーローの耐久。コーティングなので剥がれる場合も |
📝 まとめ
- ガラストップ:高級感と掃除のしやすさを重視したい方におすすめ。ただし、重い物を落とすと割れることがあるので注意。
- ガラスコート:ホーローの強さ+ガラスの掃除性を両立。コスパ重視の方に最適。長期使用でコーティング剥がれの可能性あり
- ホーロー:耐久性・価格・メンテ性のバランス重視。見た目やデザイン性はやや劣るが、実用派におすすめ。

実際に取り付けや交換を行ってきた経験上、「フチなしガラストップ」は特に人気があります。
見た目がスタイリッシュで、隙間に汚れがたまりにくいのも魅力のひとつですね。
ただし、重いフライパンをガンと落とすとヒビが入る可能性もあるので、手荒目に扱うのであれば、ガラスコートをお勧めします。
フチあり or フチなし?違いと選び方


フチとは、キッチンの天板(ワークトップ)の端の部分のことで、縁や周囲の境目を指します。段差の部分ですね。
ビルトインガスコンロの天板には「フチあり」と「フチなし」があります。それぞれの特徴を以下に整理します。
比較項目 | フチなし | フチあり |
---|---|---|
掃除のしやすさ | ◎ 段差なしで拭きやすい | 〇 フチに汚れがたまる |
見た目の美しさ | ◎ スタイリッシュ | 〇 一般的なデザイン |
衝撃への強さ | ▲ フチが無い分、やや弱い | ◎ フチが衝撃を受け止める |
価格 | ▲ やや高め | ◎ 比較的安価 |
✅ フチなし天板のメリット
- 掃除が圧倒的にラク
段差や溝がなく、油や水分がサッと拭き取りやすい。 - 見た目が美しい
一体感のあるデザインで、キッチンがスッキリとスタイリッシュに見える。 - 調理器具の移動がスムーズ
鍋やフライパンの引っかかりがなく、快適に使える。
⚠️ フチなし天板のデメリット
- 掃除しやすさが劣る
フチと天板の間に油汚れ等が詰まる - 耐衝撃性がやや劣る
縁の補強がないため、重い物の落下に弱い傾向がある。 - 価格がやや高め
製造工程に手間がかかるため、製品価格もやや上がる。

■ フチありはこんな人におすすめ
コストを抑えて実用性重視で選びたい方。
小さなお子様や高齢者がいる家庭など、安全性・耐久性を重視したい方。
■ フチありはこんな人におすすめ
デザインとお掃除のしやすさにこだわりたい方。
筆者はフチなしガラストップを使用しています!
ステンレスゴトクは見た目が長持ちしない?

ステンレス製の五徳は見た目が美しく高級感があり、耐久性にも優れた素材ですが、綺麗に保つにはやや手間がかかります。
✅ メリット
- 耐久性に優れている
サビに強く、ホーロー五徳よりも壊れにくいため長期間使用可能です。 - 見た目が美しい
シルバーの光沢があり、磨けばキッチンに高級感が出ます。 - 丈夫で変形しにくい
金属製で構造がしっかりしており、重い鍋でも安心です。
⚠️ デメリット
- 加熱による変色が起きやすい
バーナー周辺は特に焼き色がつきやすく、見た目に影響します。専用クリーナーでの手入れが必要です。 - 汚れが目立ちやすい
光沢のある表面は油汚れや水垢が目立ちやすいです。 - 価格がやや高め
美観や耐久性に優れる分、コストも高くなりがちです。
📝 まとめ
ステンレス五徳は「耐久性・美観」を重視する人に最適です。
ただし「熱変色や汚れの目立ちやすさ」に配慮した定期的な手入れが必要になるため、メンテナンスを楽しめる人向きといえるでしょう。
グリルパン対応モデルは使い勝手が段違い

近年、グリルパン対応モデルのキッチンコンロが増えており、従来の焼き網と比べて圧倒的に使い勝手が向上しています。
特に「グリルは汚れるから使わない」という方の悩みを解消してくれる、まさに“使わなきゃ損”なアイテムです。
焼き網は使わない?掃除の手間が段違い
従来の焼き網は、焦げ付きや油汚れの掃除が大変で、「洗うのが面倒だから使わない」という人も多いです。
また、網の形状上、完全にきれいにするのが難しいですよね。
一方、グリルパンはフラットなプレート構造で、汚れが落ちやすく掃除も簡単。
特に蓋付き構造の場合はグリル庫内がほとんど汚れないため、日常のメンテナンスが劇的に楽になります。
✅グリルパンの メリット
- グリル内が汚れにくい(※最大のメリット!)
プレートが蓋付き構造で油の飛び散りを防ぐため、庫内がほとんど汚れません。 - 多様な調理ができる
魚だけでなく、肉・野菜・トースト・グラタン・冷凍食品など幅広く対応。オーブン感覚でも使用可 - ノンフライ調理が可能
油なしでも食材の脂で調理できるため、ヘルシー志向の方にも最適。
⚠️ グリルパンのデメリット
- 別売りで価格が高め
コンロに付属していない場合は、別途購入で1万円前後かかることも。 - 食材のサイズ制限
さんま丸ごと1匹など、大きな食材は入らない場合も。 - 価格がやや高め
美観や耐久性に優れる分、コストも高くなりがちです。
📝 まとめ

グリルパンはグリルを「ただの魚焼き」から調理器具へ昇格させる神アイテム。
グリル調理の手間・汚れを理由に使っていない方には特におすすめです。
ただし、対応コンロかどうかは必ず確認してから購入しましょう。
また、グリルパンのサイズ展開をしているメーカーもあるので間違えないように気を付けましょう。
各メーカーのグリルパン名称と特徴
各メーカーで、専用のグリルパンが発売されてます。
各社の特徴をまとめます。
メーカー | 名称 | 特徴 | 備考 |
---|---|---|---|
リンナイ | ココットプレート(Cocotte Plate) | ・蓋付き構造でグリル内が汚れにくい・煙・ニオイも抑制・魚・肉・野菜・パンまで多用途 | オート調理機能と連携(対応機種のみ) |
リンナイ | ココットダッチオーブン | ・厚みのある金属製鍋タイプ・煮込み・焼き・炊飯も可能 | 上位機種用/重め |
ノーリツ | クックボックス(旧:プレートパン) | ・アルミ製で軽量・フタ付きで汚れにくい・専用モード対応 | 「オートグリル」などに対応 |
パロマ | ラ・クック(LaCook) | ・軽くて扱いやすい・煙やニオイが少ない・カラー展開あり | ラ・クックグラン(深型タイプ)もあり |
📝 まとめ
- リンナイの「ダッチオーブン」は一部の上位モデル専用なので、一般的には「ココットプレート」が主流。
- グリルパンがあるからといってメーカーをそれで決める必要はなし。ただし「対応モデルかどうか」は必ずチェック。
- 各社から発売されているが、基本的な性能(掃除しやすい・ヘルシー)はどれも高水準。
筆者が5年以上使って感じたメリットとは?
💡 筆者のひとこと

筆者はリンナイの「ココットプレート」を5年以上使用しています。
肉や魚も焼きますし、買ってきた総菜を入れて油を落としたりしてます。
これ以外は使ってませんし、焼き網はどこに置いたか忘れました(笑)
グリル庫内がほとんど汚れず、手入れが激減したのは本当に大きなメリット。
もうグリルパンの無い生活には戻れません!
ぜひ一度試してみてください!
\我が家で実際に使っているココットプレート/
調理機能は「実用性」で選ぶべし
調理をグっ楽にしてくれる調理機能。実際に筆者が使用してみて便利と感じるものを挙げています。
もちろん無くても問題ありませんが、あった方が、より調理を楽しめるでしょう。
グリルオート調理機能で料理が時短に
自分で焼き時間を設定することもできますが、専用の調理機能があれば自動で火力調節してくれます。
たとえば「魚焼き(切り身・姿焼き)」「トースト」など、
食材に合わせたモードを選ぶだけで、火加減と時間を自動でコントロールしてくれます。

📌 プロのひとこと:
「焼きすぎ」「中まで火が通ってない」などの失敗を減らせるのは大きなポイント。
特に子育て中でバタバタするご家庭や料理が苦手な方には強い味方です。
3口すべてにタイマーが付いてる?
コンロのタイマー機能は、時短・安全・省エネの三拍子揃った便利機能です。
ただし、タイマーが「1口だけ」「2口だけ」など、コンロによって制限がある場合があるため要注意です。
最近は3口すべてに独立タイマーを搭載しているモデルもあり、
たとえば「パスタ茹で中に煮物とスープを同時に調理」なども可能と言えば可能です。

📌 プロのひとこと:
「3口タイマー使える」のが理想です。タイマー付けてほったらかし調理が出来たりと、
手間と管理ストレスが一気に減ります。
温度調整機能で「揚げ物NG主婦」卒業?
揚げ物に苦手意識がある方は多いですが、その一因が温度管理の難しさ。
でも今どきのコンロには「温度調整機能」が付いていて、160℃〜200℃など、設定した温度を自動でキープしてくれます。
特に天ぷらやフライのときに便利で、カリッとした仕上がりが安定して出せるようになります。

📌 プロのひとこと:
温度調整機能があると、油の温度チェック不要。食材を入れて出すだけ。
火加減に悩まず、手軽に揚げ物ができるので、普段避けてた人こそぜひ使ってほしいです。
筆者自身も揚げ物に対する苦手意識が無くなりました!
📝 まとめ
最近のコンロは「無駄な機能が多い」という声もありますが、実際は使えば手放せなくなる「実用機能」も多いです。
特に先に挙げた、
- グリルの自動調理
- コンロ3口のタイマー
- 油の温度キープ機能
ここらへんは使いこなせれば毎日の調理のストレスを軽減する「本当に使える機能」と言えるでしょう。
デザインで後悔しないために
見た目の美しさやキッチンとの調和は、想像以上に満足度を左右します。
「見た目より機能優先」と思っていても、いざ取り付けるとデザインの印象が気になる方が多いのも事実です。
実用性だけでなく、空間全体の雰囲気にマッチするかどうかも意識して選びましょう。
天板の色・質感でキッチンの印象はガラリと変わる

天板(トッププレート)のカラーと素材は、キッチンの雰囲気を大きく左右する要素です。
特に、アイランド型やペニンシュラ型のオープンキッチンでは、リビング側からも視界に入るため、
「インテリアの一部」としての見た目も重要になります。
例えば、
- ブラック系 → 空間が引き締まり高級感がある
- ベージュ・ブラウン系 → 優しくナチュラルな印象
- シルバー系 → ステンレスと相性よくスッキリ。一番多いのもコレ
また、ガラストップ・ガラスコート・ホーローなど、素材の光沢や質感によっても印象が変わるため、
カタログや写真だけでなく、できればホームセンターやショールームなどで実物を見るのがおすすめです。

📌 プロのひとこと:
機能で選んでから「やっぱり見た目が気に入らない…」と後悔する人も多いので、最初から見た目も重視すべし!
選べない!という方は、シルバー系で良いと思います。どんなキッチンでも合います。
操作ボタンの形状は好みと使い勝手で選ぶ
操作ボタン(つまみ・スイッチ類)は、メーカーやグレードによって形状・質感が異なります。

火力調整はつまみを左右に

火力調整は飛び出たボタンを回して
- 上から押すタイプ(従来型)
- 押して回すタイプ(フラット設計)
特に「押して回すタイプ」は見た目がスッキリしておしゃれだと思います。

📌 プロのひとこと:
どちらでも使いにくいなんて事はありませんので、好きに選んで大丈夫です。
押して回すタイプの方が、金額は高いですが、デザインは筆者好みですね。
ステンレスフェイスは高級感アップ(でも値段も…)
前面の「フェイス部分」がステンレス仕様のコンロは、見た目の高級感が大きくアップします。
通常は樹脂製やアルミ調ですが、ステンレスフェイスにすることで
- 金属の重厚感
- 質感の高いキッチン
- 汚れがつきにくく拭き取りやすい
といったメリットがあります。
ただし、このステンレスフェイスは中〜上位モデルにしか搭載されていないことが多く、価格もやや高めになる点には注意が必要です。
📌 プロのひとこと:

📌 プロのひとこと:
キッチンの見た目を重視するなら、ステンレスフェイスは「後悔しない選択肢」ですが、コスパ重視派は要検討です。
まぁここは好きに選んでいただいてOKです!
📝 まとめ

「料理さえできればOK」と思っていても、毎日使うからこそ「見た目の満足感」は大きな価値になります。
特に、
- 天板カラー
- 操作部の形状
- フェイス素材
などは、設置後に意外と気になるポイントです。
デザイン性も妥協しないことで、料理も気分もアップしますよ。
天板の横幅60cmと75cm、どっちが正解?
ビルトインコンロには「60cm」「75cm」の2つがあります。
この数値は天板の幅を指しています。現状が60cmであったとしても75cmに変えることが可能で、逆に小さくしてもOKですが、
条件が一つ。レンジフード幅より小さければ、OKです。※消防法により決まってます
つまり、レンジフードが60cmであれば、ガスコンロも60cm。
レンジフードが75cmであれば、ガスコンロは60cmでも75cmでもOK、ということです。
特徴を表にしてみました。
60cmタイプ | 75cmタイプ | |
---|---|---|
設置スペース | 小さめでスッキリ | キッチン天板が小さければ作業スペースを圧迫 |
鍋やフライパンの配置 | 並べにくく感じることもある | ゆとりがあり、同時調理しやすい |
掃除のしやすさ | どちらも同じ | どちらも同じ |
キッチン全体の印象 | スッキリ・コンパクトに見える | 横に広がり、やや高級感・存在感あり |
交換・設置のしやすさ | どちらも同じ | どちらも同じ |
向いている家庭・用途 | キッチン天板幅が小さめ | キッチン天板幅が大きめ |
メリットよりもデメリットの方が大きいかと思います。
こだわりが無いようであれば、サイズは変えない方が無難ですね。

📌 プロのひとこと:
「広ければ良い」というものではありません。75cmタイプは作業効率や高級感が上がる反面、スペースを取ります。
キッチン全体のバランスも考慮して選びましょう。
まとめ|機能を理解したうえで「妥協しないポイント」を選ぼう
ビルトインガスコンロは、簡単には買い替えないからこそ「後悔しない選び方」が大切です。
今回お伝えした5つのポイントを振り返りましょう。
- ✅掃除しやすいガスコンロを選ぶポイント
→天板はガラストップ、ガラスコートで。また、グリルパン対応機種を選び日々の負担を軽減しよう - ✅グリルパン対応モデルは使い勝手が段違い
→絶対おすすめの神アイテム。掃除もラクになる - ✅調理機能は「実用性」で選ぶべし
→オート調理・温度調整・3口タイマーで時短と安心というメリットを享受しよう - ✅デザインで後悔しないために
→天板・ボタン・フェイスデザインで見た目の満足度も重要。キッチン全体のバランスも忘れずに。 - ✅天板の横幅60cmと75cm、どっちが正解?
→自宅の使い方に合わせて最適な選択を
💡 筆者のひとこと

どれか一つでも妥協すると、10年単位で小さなストレスが続くかもしれません。
「掃除のしやすさ」「使い勝手」「デザイン」「サイズ」… どれも日々の快適さに直結します。
是非この記事を参考にしていただき、皆様が後悔の無い選択ができることを祈っております。
最後に、筆者が自宅で使っている、妥協なしのガスコンロを紹介します!
\我が家で実際に使っているタイプの後継モデル/
\ココットプレートなしモデル/
\ココットプレート付きモデル。別売品で買うより安く買えます/
今回紹介したポイントを押さえている機種について別記事で紹介しています。
本記事と合わせて参考にしてみてください。
以上です!