住宅設備 食洗機

ビルトイン食洗機の取付けは自分で出来るのか、交換・後付け・新規設置について解説します

2022年3月30日

ビルトイン食洗機を交換したいけど、我が家の場合は自分で出来るのか教えてほしい!

キッチン交換をする場合に取り付けるおすすめ食洗機なんてあるのかしら!?

上記のようなお悩みを解決する記事です!

本記事内容

  • ビルトイン食洗機の種類
    • コンパクトタイプ(ミドルタイプとも言う)
    • ディープタイプ(フロントオープン)
    • ディープタイプ(スライドオープン)
  • ケース1.キッチン交換時の際に食洗機を設置する
  • ケース2.既存のシステムキッチンに食洗機を後付けする
  • ケース3.既存の食洗機を交換する

新しいマンションやリフォーム済み物件では、もはや当たり前に設置されているビルトイン食洗機。

今は付いていないけどいつかは欲しいと考えている方多いのではないでしょうか。

卓上食洗機であればどこの家でも取り付けられそうですが、ちょっと邪魔ですよね。

可能であればビルトインタイプが欲しい所です。

そこで本記事では、

各家庭の状況別でビルトイン食洗機後付けする方法を解説していきます。

交換についても触れていますので、交換を検討されている方も是非ご覧ください。

本記事の信頼性

筆者のプロフィール

ビルトイン食洗機の種類の違い

コンパクトタイプとディープタイプ

ビルトイン食洗機は大きく分けて、コンパクトタイプディープタイプの2種類があります。

簡単に説明すると、その名の通りディープタイプよりも洗浄のスペースが小さいのがコンパクトタイプです。

コンパクトタイプ食洗機
コンパクトタイプ食洗機

本体の寸法自体も小さいため、ディープタイプと比べると設置できる可能性が高くなります。

コンパクトタイプは以下の理由で取り付けることが多いです。

  • 食洗機の下に収納が欲しい
  • ディープタイプが設置できないキッチンである
  • シンク下にしか設置できるスペースがない
  • 洗いたい食器が少ない

戸建ての建売や新築マンション、リフォーム済み物件ではコンパクトタイプが設置されているケースが多いです。

食洗機を使用したことが無い方であれば、食洗機が付いてて嬉しい!と思うかもしれません。

しかしながら食洗機を常用している筆者からすると、小さいから洗えない物が多いなぁと感じます。

筆者は夫婦子1人の3人暮らしですが、ディープタイプでギリギリ洗える量の洗い物が出ます。

そんなに何を洗っているんだ!と思うかもしれませんが、調理道具も洗いたいし、お弁当箱も水筒も洗いたい、できれば全部洗いたいんです。

筆者のような1回の洗浄で済ませたいズボラ人間には断然ディープタイプをお勧めします。

コンパクトタイプしか選べない場合は、是非食器の買い替えを検討してみてください。

カタログのように食器を入れる事が出来れば容量不足も気にならなくなると思います。

スライドオープンとフロントオープン

さらにディープタイプの中でもスライドオープンフロントオープンがあります。

日本の主流はスライドオープンで、引き出しのように引っ張って空けます。

スライドオープン食洗機
スライドオープン食洗機

フロントオープンは、扉が前に倒れて開きます。ガスオーブンのような開き方ですね。

洗える容量がフロントオープンの方が大きいからか海外ではフロントオープンが主流みたいですね。

フロントオープン食洗機
フロントオープン食洗機

好きな方を選んで構いませんが、フロントオープンの国産はリンナイの1機種しか存在しません。

海外製であれば複数存在しますが、海外製に則した給排水電源が必要のため、DIYを考えている方には難しいでしょう。

確実に追加費用が掛かる事もあるのでトータル30万円越えは考えておいた方が良いでしょう。

ではリンナイのフロントオープンならDIY出来るのか?ですが、できなくはないけど難易度は高いです。

給排水管位置がシビアなのでかなり手こずるはずです。

その点スライドオープンであれば、配管スペースが大きいので工事が簡単です。

配管をいじるような事に慣れていない方は、スライドオープンを選んだ方が無難です。

また、業者に依頼する場合でも、給排水の改修が必要となるため、追加費用がかさみがちなのもフロントオープンですね。

ケース1.キッチン交換時の際に食洗機を設置する

DIYでキッチン交換をする人は少ないでしょうから、業者に頼むことを前提にしますね。

キッチン交換を考えていて、食洗機の導入もするのであれば、どんなタイプでも設置が可能です。

基本的にディープタイプであれば、食洗機の下部は配管スペースとして使用しているのでデッドスペースとなってしまいます。

しかし、キッチンのオプションとしてであれば、食洗機の下部を収納にすることもできます。※メーカーによって異なる

ディープタイプを設置して、しかも収納があるので最高なのですが、なぜだかキッチンのオプションとしてしか販売されていません。

もしも選んだキッチンで「ディープタイプ+下台収納」が選べるのであれば、間違いなくこれが一番おすすめです。

ただし、収納と言っても容量は小さいのであまり期待しない方が良いでしょう。

また、海外製を付けたいのであれば、キッチン交換時が最適です。配線とか業者がやってくれますからね。

ディープタイプ食洗機+下台収納
ディープタイプ食洗機+下台収納
下台の中身。ろくなものが入っていません
下台の中身。筆者宅ろくなものが入っていません

ケース2.既存のシステムキッチンに食洗機を後付けする

新築マンション等であれば給水、排水、電源が揃っている場合が多いですが、建売りの戸建てでは設備が整っていない場合が多いです。

そんな時は新たに設備を作る必要がありますが、今回は設備があるものとして話を進めていきます。

また、紹介するいずれの方法もキッチンを傷つける恐れがあるので、自信のない方にはDIYをおすすめしません。

ディープタイプ

ディープタイプを取り付けるには45cm幅の空間が無くては入れることが出来ません。

よくある例では、3列の引き出しがあるキャビネットを食洗機に変えるケースです。

引き出しを外してみて幅を確認してみましょう。大体42cm位のはずです。

これでは45cmのビルトイン食洗機が入りません。

ではどうすればよいかと言いますと、引き出しが収まっていた枠を破壊して取り外す必要があります。

そうすれば45cmを確保できます。

慣れていればキャビネットを破壊するのは屁でもない事ですが、本当に壊してよいのか不安になりますよね。

不安すぎて出来ない場合はDIYは止めておきましょう。

ディープタイプ食洗機
ディープタイプ食洗機。下部は配管スペースとなっています
配管スペース
配管スペース。物は入れてはいけません

コンパクトタイプ+下台収納

新たに下台収納を購入し、その上にコンパクトタイプの食洗機を置く方法です

別途購入する下台収納は45cm幅のため、この場合もディープタイプ同様にキャビネットを破壊する必要があります。

下台の表面のはパネルを取り付ければ変えられますが、パネルが用意できない場合はキッチンの景観を損なう可能性がありますね。

コンパクトタイプ+既存の引き出しを1段残す

2段または3段の引き出しの、一番下の段を残してその上に食洗機を置く方法です。

この方法の場合は、キャビネットを壊して取り出す必要がありません。

なぜならコンパクトタイプの幅は42cmもないからです。

引き出しとレールを外せば、コンパクトタイプがすっぽり収まります。

しかしながら、既存の引き出しは高さが合わないため、加工が必要になります。

また、食洗機を置くための台を、残す引き出しの上に取り付ける必要もあります。

加工は大変ですが、既存の引き出しが使えるのとキャビネットを外してスペースを作る必要がないため、景観を損なわずに取り付けが出来ます。

次の画像は、食洗機を設置することを想定したキッチンの例です。

扉を外せばコンパクトタイプがすっぽり入る寸法になっています。こうなっていれば加工は必要ありません。

要は、この状況を加工して作る必要がある、という事です。

食洗機スペースが確保されていたキャビネット
食洗機スペースが確保されていたキャビネット

ケース3.既存の食洗機を交換する

既存の食洗機を交換するん場合は、給水、排水、電源はそのまま再利用するため、比較的容易に交換が可能です。

必要な工具も次のリストがあれば事足りる場合が多いです。

  • プラスドライバー
  • モンキーレンチ × 2本
  • 電動ドライバー(あれば楽です)

コンパクトタイプからコンパクトタイプ

このケースが一番簡単です。

実際自分で交換して簡単だったと言っている方々はこのケースが多いですね。

ただし、シンク下に取り付けていた場合は、奥行き寸法上機種が限られてきますので注意してください。

コンパクトタイプからディープタイプ

より大きい食洗機を使用したい場合は、ディープタイプに変更しましょう。

現状食洗機の下にある収納を撤去すればディープタイプが設置可能です。

収納が減るので、荷物の移動先を考えておく必要がありますね。

ディープタイプからディープタイプ

スライドオープンで交換であれば、比較的容易に取り付けが可能です。

しかし、スライドオープンからフロントオープンにする場合は、給排水を別の場所に移動する必要が出てきます。

これがフロントオープンの厄介な所です。

私の経験上、DIYでのフロントオープンへの交換は難易度が高いためおすすめしていません。

ディープタイプからコンパクトタイプ

食洗機の容量を減らしてでも収納を作りたい方はコンパクトタイプにしても良いでしょう。

しかしながら食洗機下の収納は使いづらい上に小さいので、あまりおすすめしていません。

別途下台を購入する金額もかかりますのでコストも上がります。

例外その1:幅30cmの食洗機を交換したい

古い食洗機には幅が30cmしかない物もあります。

現状では30cmの物は製造されておりませんので、30cm幅のキャビネットに入れ替えて収納を増やすか、

もしくは別の45cmキャビネットを撤去してしまい、45cmの食洗機と30cmのキャビネットを入れるかです。

例:30cm食洗機+45cmキャビネット → 30cmキャビネット+45cm食洗機 

あまりない例ですが、工事自体は可能です。

費用がかさむ上、キャビネット容量が小さくなるので使い勝手は悪くなるでしょう。

キッチン交換をおすすめします。

例外その2:トップオープンの食洗機を交換したい

キッチンの天板に食洗機用の穴が開いていて、その穴から食器を入れるタイプです。

トップオープンは製造されておりませんので、コンパクトタイプかディープタイプに変更する必要があります。

また、天板に空いている穴に蓋をしなければいけませんが、専用の部材が販売されていますので問題ありませんが、

DIYの難易度は格段に上がります。

寸法の関係上コンパクトタイプであれば簡単に取り付け可能です。

※トップオープンはキッチンの端にある場合が多く、ディープタイプの設置に適さない場合があります。

まとめ:同じタイプの交換は難易度低め。後付けは難易度高め

記事の要点を次にまとめました。

  • ビルトイン食洗機の種類
    • コンパクトタイプ、ディープタイプ(フロントオープン)、ディープタイプ(スライドオープン)がある
    • 設置が可能であれば、容量が大きいディープタイプをおすすめ。家族持ちなら尚更です
  • ケース1.キッチン交換時の際に食洗機を設置する
    • ディープタイプ+下台収納がおすすめ。フロントオープンでは下台は不可能。
  • ケース2.既存のシステムキッチンに食洗機を後付けする
    • どのケースもある程度のキッチンに対する知識が必要なのでDIYはおすすめしません
    • ◎「ディープタイプ」 → キャビネットの撤去が可能であればディープがおすすめ
    • 「コンパクトタイプ+既存の引き出しを1段残す」 → キャビネットの撤去が不要。下台収納よりは見た目が良い
    • △「コンパクトタイプ+下台収納」 → 収納とは言っても容量が少ないので可能であればディープがおすすめ
  • ケース3.既存の食洗機を交換する
    • ○コンパクトタイプからコンパクトタイプ → シンク下に設置する場合は本体の奥行きに注意
    • ◎コンパクトタイプからディープタイプ →  収納は減るが食洗機容量はアップ
    • ◎ディープタイプからディープタイプ →  フロントオープンの交換は難易度高め
    • △ディープタイプからコンパクトタイプ →  下台が必要だが収納能力は低いのでディープのままがおすすめ

結論としましては、交換であればDIY可能だが、後付けは難易度が高いのでおすすめは出来ない、という事になります。

自分が素人だった時のことを考えると、キッチンの知識無しで後付けはできそうにもないなぁと感じた次第です。

交換であれば、特別な工具が無くても出来ますのでチャレンジしてみてもいいと思います。

くれぐれも水漏れにはご注意ください。

以上です。

是非参考にしてみてください!

  • この記事を書いた人
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nosushi

住宅設備機器設置工事スタッフとして10年程勤めています。 住設機器の交換で悩んでる方の手助けになればと思いブログを立ち上げました。以下の資格を所持してます。 ・第二種電気工事士 ・簡易内管施工士 ・ガス機器設置スペシャリスト ・給水装置工事主任技術者 ・排水設備工事責任技術者 ・福祉住環境コーディネーター

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