リフォーム業界への転職に興味があるけど、未経験でやっていけるか不安・・・
職人として働いているけど、日給ではなく働いた分だけ給料をもらいたい!
30歳でIT業界から未経験のリフォーム業界へ転職したnosushiです!
当記事では、住宅設備の多能工とはどんな仕事なのかを書いています。
私自身が30歳未経験で転職してますが全く後悔が無く、むしろ今後生きていくために転職してよかったと感じています。
住宅設備工への転職をおすすめするのは置いておいて、まずは住宅設備の多能工ってなに?といった方が多数かと思います。
詳細な仕事内容や一日の流れ、メリット、デメリットを説明していきます!
リフォーム業界への転職が気になっている方は是非参考にしてみてください。
本記事の信頼性
住宅設備工の仕事内容とは?
住宅設備の多能工と書いていますが、実際の呼称はいろいろありまして単純に「設備屋」と呼ばれる事もあります。
設備屋と一口に言っても、例えば新築で給排水の工事をする人は「水道屋」であり「設備屋」でもあります。
電気配線をしてコンセントを増設するのは「電気屋」であり「設備屋」だったりもします。
このように設備屋と言っても様々な解釈があるので、当ブログでは「住宅設備工」と呼ぶことにしてます。
仕事の内容としては、以下が挙げられます。
- 水回り住宅設備の取付
- キッチン水栓、洗面台水栓、浴室水栓、浄水器、トイレ、ウォシュレット、洗面化粧台、食洗機、ディスポーザー
- ガス系住宅設備の取付
- ガスコンロ、ガスオーブン、ガス給湯器、瞬間湯沸かし器
- 電気系住宅設備の取付
- ドアホン、IHクッキングヒーター、電気オーブン、浴室テレビ、コンセント・スイッチ増設移設、エコキュート
- 空調系住宅設備の取付
- ルームエアコン、レンジフード、浴室換気乾燥機、その他換気扇
- 内装系
- クロス張替え、クッションフロア張替え
一般的な「設備屋」が行っている見えない部分の配管配線ではなく、目に見えている住宅設備の交換が主な仕事内容となります。
ただし配管に関しては全く触らないわけではなく、住宅設備の交換に関わる部分のみ触る事になります。
先の一覧を見てわかる通り、取り付けるカテゴリーは多岐に渡るため全てを覚えるのは難しそうですね・・・
また、資格が無いと出来ない工事もありますので、仕事を覚えながら資格取得を目指す事も重要になります。
必要な資格は別途記事でまとめます。
住宅設備工の一日(例)
それでは、住宅設備工である筆者の一日(例)を見てみましょう。
工事予定は3件としてます。取り付ける住宅設備は前日車両へ積み込んでいます。
06:00 起床
07:30 車で出発(1件目現場の場所により異なる)
09:00 1件目到着。キッチン水栓交換作業開始
10:00 1件目完了。2件目へ出発
10:30 2件目到着。ビルトインガスコンロ交換作業開始
11:30 2件目完了。そのまま昼食で1時間休憩してから移動
13:00 3件目到着。ガス給湯器交換作業開始
16:00 3件目完了。工事が完了したので帰社する
17:00 帰社。ゴミを捨て次の日の商品を車へ積み込み
17:30 本日の作業報告(PC or スマホ)
18:00 お仕事完了
会社によって多少違う事はあるかと思いますが、大体の流れはこのようになります。
基本的には1人で車に乗って、客先へ出向き工事をする事になります。
人づきあいが苦手な人にとっては、帰社するまでは1人で動いているので気楽な面があります。
始めたばかりであれば、先輩について回る事になるのでコミュニケーション能力が低くても大丈夫!とは言えませんけどね。
また、建築現場で働く職人さんとは違い、直接エンドユーザーのお宅へ出向き、工事をすることになります。
人が住んでいる家にお邪魔して作業をしますので、一般的なマナーや清潔感も忘れてはいけません。
別のリフォームの相談をされる事もあるので営業マンとしての側面がある事も、建築現場の職人さんとは大きく異なる点となります。
住宅設備工は一日でどれくらい稼げる?
会社員であれば固定給でしょうから何件やっても変わりません。※残業代は別
個人事業主であれば、エンドユーザーから直接仕事をもらう場合と、下請けで工事する場合があります。
下請けの場合は工事金額の7~8割程度が多いのではないでしょうか。表にしてみました。
工事内容 | 施工費 | 下請けの場合(7~8割で仮定) |
キッチン水栓交換 | 8,000~15,000円 | 5,600~12,000円 |
ビルトインガスコンロ交換 | 15,000~20,000円 | 10,500~16,000円 |
ガス給湯器交換 | 40,000~50,000円 | 28,000~40,000円 |
合計 |
62,000~85,000円 |
44,100円~6,8000円 |
1日3件の仕事で、自らの請けであれば「62,000円~85,000円」下請けで「43,400円~68,000円」くらいです。
完全週休二日制にしたとしても、上記の表で言えば月間売り上げ「868,000円」が可能、ということになります。
現場の職人さんは人工(1日○○円の固定)で支払われる事が多いので、工事をやった分だけ貰えるのは大きいと思います。
やった分だけ貰えるということは、当たり前ですが仕事が少なければ稼げません。
大きな建築現場のように、一定の期間は毎日仕事が確保できている事が当たり前とは言えません。
しかしながら住宅設備取付を専門でやっている会社の下請けに入ることができれば十分安定します。
また、生活により近い場所で言えば、ホームセンターの下請けという道もあります。
くらしのマーケットのようなサイトで職人として登録をしておいて、自らが設定した金額で仕事を待つなんて事もあります。
リスクヘッジのためにも1社の下請けだけではなく、複数社と契約ができれば、より安定しますね。
きっちり仕事ができる人であれば、年収1000万は、当然のように稼ぐ世界です。
住宅設備工で独立できるレベルに到達するまでの道のり
まずは兎にも角にも知識と経験を積むことが必須となります。
先に挙げた商品群を全て取り付けできるようになるには、幅広い工事を連日大量に受注している会社への就職が手っ取り早い道となります。
筆者の場合は、以下の流れを経て現在に至っています。
職業訓練校を利用するケース
- 職業訓練校にてリフォーム関連コースを受講(その際に第2種電気工事士を取得)
- ネットで手広く住宅設備を販売施工している会社へ就職(一応経験者と見なしてくれました)
- 半年~1年は先輩と同行し、住宅設備の工事を学ぶ
- 2年目からはほぼ完全に1人で現場を回るようになる
ただし、1人で回れれば立派に一人前かと言えばそんなことは一切なく、日々の失敗を繰り返しアップデートをする日々でした。
30歳未経験のため年下の先輩に教えを乞うなんて事もたくさんありましたね。
また、先輩方の中には「水道屋出身」「ガス屋出身」「電気屋出身」と、スペシャリストがたくさんいた事も大きいです。
人数が多い会社ほど様々な経験を持った方がいらっしゃいます。
わからないことはそれぞれの詳しい人に聞けたので、そういった会社の環境も見極める必要もありそうです。
私の場合はですが、自信をもって施工できるようになったのは3、4年目くらいでしたね。
では、職業訓練校を経るケースのメリット、デメリットを挙げてみましょう。
メリット
- 失業給付金を貰いながら訓練ができる(離職者の場合)
- 無料で受講できた(コースによるかも)
- 資格取得の勉強時間が取れる
- 同じ境遇の仲間ができる
- 前の会社を辞めてすぐ転職、では無いので少しは気が楽
- 経験者扱いで雇ってくれた
給付金を貰いながら技術を学べるなんてすばらしいですよね。
今思えば、とても役に立つ内容を学んだなぁとは思いませんが、年齢差のある(18歳~35歳程度?)仲間たちとワイワイ学べたのは財産となっています。
30歳で学校に通う感覚はなんとも面白いもんです。
会社に入ってからの資格取得は大変厳しいものがありますが、その時間も作れますし、独身者にはおすすめです。
家族持ちの方もいらっしゃいましたが肩身が狭そうでしたね。。。
次にデメリットですが、あまり思い浮かびません。
デメリット
- 実際の現場のほうが勉強にはなるので、すぐにでも技術を!という人には合わないかも
- 若年者向けには年齢制限がある
すぐにでも働きたい方には向かないですが、時間に余裕がある方には良い選択肢じゃないでしょうか。
まずは「水道」「ガス」「電気」いずれかのスペシャリストになる
職業訓練校に通う通わないは置いておきまして、関わりの深い業種で経験を積んでからの方が、幅の広い住宅設備工になれます。
住宅設備の取付しか知らない人と、他の設備屋で修行した事のある人を比べると、後者の方が確実に良い仕事ができます。
それは、目に見えない部分が見えているかどうか、という事です。
例えばですが、壁面に何かしらの機器を固定する場合、経験者は下地や配管の状況を予測したりできますが、住宅設備の取り付けしかできない人には、壁の中は未知の空間です。
開けてみなければわからないのはどちらも同じですが、予測をして工事の準備をするだったり、万が一○○な状況になったらこう回避すればいいか、など、先々のことを考えて動くができるようになるんですね。
私自身はスペシャリストを経ておりません。
今現在は、大小様々なリフォームを経験することで、住宅設備工としての幅がさらに広まったと感じております。
全く後悔はしておりませんが、もしも昔の自分にアドバイスができるとするならば
「電気屋か水道屋で一人前になってからの方がいいよ」
と言うと思いますw
メリットがとてつもなく大きいです。
メリット
- 住宅の構造を身をもって理解できる
- 他の設備屋との関わり方が知れる
- リフォームの流れ全体を把握できる
- 上記を知った上での住宅設備施工の方が、自信を持って施工にあたれる
ただし、やはりそこは職人の世界になりがちですので合う合わないはあると思います。
ですが、我慢できるのであれば経験はしておきたいところです。
デメリット
- いわゆる職人の現場に入ることになるので、向かない人には向かない
一人前になるまでとは言いませんが、基礎だけでも知っていたら強みになると思います。
とは言え30代未経験で職人の世界はきついとも思いますので、
職業訓練→何れかの設備屋→住宅設備工
この順番が、私の中の最適解となっております。
住宅設備工になるメリット
なぜそこまで住宅設備工をすすめるのか疑問に思う方いらっしゃいますよね?
そこで、私が思う住宅設備工になるメリットを挙げていきたいと思います。
先に挙げたことと重複するかもしれませんがご容赦ください。
日当ではなく、やった分だけ対価を貰える
職人の日当は、10,000円~20,000円あたりで、よほど高くても30,000円くらいが限界でしょうか。
先の表で挙げた通り、住宅設備工であれば40,000円を稼ぐことそんなに難しくありません。
使用する部材や移動の交通費等は別で出る場合もあれば含まれている場合もあります。
私の周りの個人事業主たちは、抑え気味の仕事量で年収1000万円近く稼いでる人が多いです。
満員電車通勤はなくなる
基本的に車で移動をするため、電車通勤はほぼしなくなります。
渋滞のストレスはありますが、満員電車のストレスの方が私はきつかったですね。
私の場合はプライベートでも電車移動が減りました。
自分のペースで仕事を進められる
基本的に工事は自分一人で行うため、他の職人さんと関わることがほぼありません。
一人で移動して一人で仕事をするのが好きな方には向いていると思います。
逆に、仲間たちとワイワイ仕事したい人には向きません。
早く帰りたければ頑張って早く終わらせて帰れます。家族との時間をゆっくり持てます。
ただし、お客様在宅中に工事をするため、お客様との関りは必ずあります。
そこは頑張って対応していきましょう。
天候に左右されにくい
雨が降ってるから今日は中止!はあまりありません。
基本的には宅内での作業のためです。夏場はエアコンが効いた室内で作業することが多いですね。
雨でもカッパ着て出来る作業がほとんどです。
歳をとっても出来ることが多い
取り付ける機器によっては重いものもありますが、水栓など軽いものをメインで施工するようになれば、年を取ってからでも作業できます。
私のまわりにも、ボケないようにと水栓工事を請けてるおじいさんがいます。
認知症予防且つお小遣い稼ぎにもなるのでありがたいそうです。
自宅のリフォームが格安でできる
自分で物を発注し自分で工事するから格安なだけなんですが、家族から大変ありがたがられます。
筆者も自宅マンションのリフォームは、自分と仲間たちで仕上げました。もちろんプロ並みに仕上がります。だってプロですからね。。。
※キッチン交換、フローリング張替え、クロス張替え、トイレ交換、照明、スイッチ増設、洗面所クッションフロアと洗濯パン交換
住宅設備工の力でフルリノベーションをするのは難しいですが、ある程度のリフォームは全然可能です。
不動産投資をしたい人に最適
不動産投資をしている、または将来考えている方にはもってこいの職業かと思います。
その物件がどんな状況で、どんなリフォームをすれば良いかが判断でき、業者に頼らなくてもそこそこのリフォームができます。
それこそ、自分ができる範囲の住設交換とクリーニングだけで見違えるような部屋にすることが可能です。
物件費用とリフォーム費用の判断が購入前にできれば、より良い資産運用ができますよね。
急な水漏れ対応が必要になったとしても自分で出来ちゃいますしね。
他の職人と比べると数多くのメリットがあるように思いますね。
1人でマイペースに仕事ができて、1000万円稼げて、プライベートでも有難がられて、歳とっても続けられて、不動産投資にも生かせる。
こんな仕事なかなか無いんじゃないかなぁと書いていて改めて思いました。
住宅設備工になるデメリット
良いことばかり書いても信用できないと思いますのでデメリットも書いていきます。
土日に工事が集中しやすい
お客様の日程に合わせて工事をするので、どうしても土日に集中しやすいです。
休みが取れないわけではないのですが、土日に働いてくれる下請けの方が良いと言う元請けはいるでしょうね。
平日休む方が良い方にはメリットですけどね。
会社員の場合は休みが少ない場合が多い、給料が安い
個人事業主であれば自分で休みを決められますが、会社員の場合は、カレンダーよりも休みが少ない事が多いです。
求人を見た限りでは年間休日100日前後が多いように思います。
独立するまでは休みが少なくなる事は事前に頭に入れておかないといけませんね。
また、経験が少ないうちは給料は少ないです。
ある程度の給料を稼ぎたいのであれば、独立は必須となります。
嫌な客もいる
どんな仕事でも一緒ですが、嫌な客ももちろんいます。
エンドユーザーと直で接するため、自分の印象が会社の印象となってしまいます。
悪い印象が残れば会社自体に悪い印象を持たれてしまいます。
マナーや清潔感を意識して行動しなければなりません。社会人としての一般常識があれば問題ないんですけどね。
こう見てみると独立するまでの年間休日数が一番のデメリットでしょうか。
リフォーム業全体に言えることですが、休日が少ないのが残念ですね。
まとめ
私は全く別の業界から30歳未経験での転職でした。
前の会社を辞めて、かれこれ10年経過しています。
周りの仲間にも恵まれたためか、特に前職に未練もなく楽しく仕事をしています。
今後、新築を建てるよりも既存住宅のリフォームがどんどん増えていくと思います。
複数の仕事ができる住宅設備工の需要も伸びていくでしょう。
リフォーム業界に興味はあるけどガチガチの職人は嫌だな・・・って人結構いるように思います。
そんな方々にお勧めの職業「住宅設備工」への転職、選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
- 住宅設備工の仕事内容とは?
- 水、電気、ガス、関わる住宅設備の交換が主な仕事です
- 住宅設備工の一日(例)
- 基本は1人で車移動。1日3~4件の住宅設備の交換をします
- 住宅設備工は一日でどれくらい稼げる?
- 挙げた例では43400円~85000円は可能
- 住宅設備工で独立できるレベルに到達するまでの道のり
- 職業訓練→何れかの設備屋→住宅設備工 の流れがおすすめ
- 住宅設備工になるメリット
- 1人でマイペースに仕事ができて、1000万円稼げて、プライベートでも有難がられて、歳とっても続けられて、不動産投資にも生かせる
- 住宅設備工になるデメリット
- 独立するまでの年間休日数が一番のデメリットか
以上です!