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今回のテーマは【蛍光灯のLED交換】
そんな疑問をお持ちの方、実はとても多いんです。
住宅設備工事士として15年以上現場に立ってきた私の経験から言うと、蛍光灯のLED化で失敗する原因は「自宅の器具のタイプを確認せずにLEDランプを買ってしまう」こと、ほぼこれだけです。この記事では、第二種電気工事士でもある私が、自宅の洗面台照明で実際にやった「工事不要の交換」と「安定器バイパス工事」の両方を写真つきでお見せします。
そこで本記事では、
- 工事不要でLED化できる器具の見分け方
- 工事不要タイプの正しい手順と落とし穴
- 安定器バイパス工事でプロが実際にやっていること
をわかりやすく解説します。
本記事の信頼性
この記事は、住宅設備の現場に15年以上携わり、数百件以上の設置・交換を行ってきた筆者が執筆しています。
第二種電気工事士・ガス機器設置スペシャリスト・排水設備主任技術者の資格を持ち、電気・ガス・排水の専門知識を踏まえた正しい施工や注意点を解説。
実際に設置・使用している立場から、現場目線 × 利用者目線でリアルなレビューと選び方のポイントをお届けします。
結論:工事不要でLED化できるのは「グロースターター式」だけ【見分け方】
結論から言うと、工事なしでLED蛍光灯に交換できるのは「グロースターター式」の器具だけです。それ以外の器具は、器具内の配線をさわる工事(=電気工事士の領域)が必要になります。まずは自宅の器具がどのタイプか、この章で確認しましょう。
🔍 最優先はグロー球(点灯管)があるかどうか

グロー球(点灯管)とは、蛍光灯の近くに付いている親指サイズの小さな部品です。画像では黒いまるいやつです。蛍光灯のカバーやプレートを外すと、写真のような位置に付いています。
グロー球があればグロースターター式:購入する蛍光灯さえ間違えなければ、グロー球と蛍光灯の交換だけでLED化できます。
🔍 蛍光灯の型番と点き方は「補助」の確認方法
今付いている蛍光灯の型番の頭文字でも、おおよその見当がつきます。
| 型番の頭 | 点灯方式の目安 | ランプLED化 |
|---|---|---|
| FL | グロースターター式 | 工事不要タイプが使える |
| FLR | ラピッドスタート式 | 原則、工事が必要 |
| FHF | インバーター式 | 原則、工事が必要 |
型番だけで判断しないでください:型番はあくまで補助で、判断の決め手は「グロー球の有無」です。
もうひとつの補助が点き方です。スイッチを入れて一瞬チカチカしてから点くなら、グロースターター式の可能性が高いです。
🔍 判別チャートで最終確認

賃貸にお住まいの方へ:備え付けの照明器具は大家さん(貸主)の持ち物です。ランプ交換の範囲でも、まずは管理会社への確認をおすすめします。
💡 筆者のひとこと
我が家の洗面台もそうでしたが、洗面台・キッチンの手元灯・物置あたりは、今もグロー式が現役という家が多い場所です。脚立に乗る前に、まずスイッチを入れて点き方を見てみてください。
そもそもグロースターター式とは?蛍光灯が点く仕組みを30秒で
覚えることはひとつだけ。蛍光灯を点けるには「安定器」という部品が必要で、LEDには本来それが不要、ということです。ここを押さえると、この後の「工事が要る・要らない」の話が一気にわかりやすくなります。

🔍 グロースターター式(グロー球で点く昔ながらの方式)
グロー球が点灯のきっかけを作り、安定器が電気の流れを調整して蛍光灯を点ける方式です。スイッチを入れて一瞬チカチカするのは、グロー球が働いている合図です。家庭用の器具で広く使われてきました。
🔍 グロー球がない方式(ラピッドスタート式・インバーター式)
ラピッドスタート式は専用の安定器で、インバーター式は電子回路で、グロー球なしですぐに点灯する方式です。この2つは器具側の回路が別物なので、ランプのLED化には原則として配線工事が必要になります。
なお「工事不要」をうたうラピッド式対応のLEDランプも一部にありますが、商品ごとに対応条件が細かく分かれます。組み合わせを間違えると発煙などのリスクがあるため、本記事ではおすすめしません。
💡 筆者のひとこと
方式の名前を覚える必要はありません。見るのは「グロー球があるかないか」だけで十分です。
【実演】工事不要タイプでLED化する手順(グロー式)
グロー式なら、用意するのは「グロースターター器具専用」のLEDランプ1本だけです。我が家の洗面台照明(ちらつき始めた蛍光灯FL15ENW)を、実際にLED化した手順をそのままお見せします。
🔍 用意するもの(LEDランプ1本だけ)
今回使ったのは、オーム電機の直管LEDランプ「LDF15SS・D/8/11 7」(品番06-4909)です。Amazonで1,227円でした。パッケージで見るべき表記は次の3つです。
- 「グロースターター器具専用」の表記
- 口金「G13」(一般的な直管蛍光灯と同じ差し込み口)
- サイズ「15形相当」(今付いているランプと同じ形に合わせる)

🔍 手順(写真つき・5ステップ)
作業前に、壁スイッチを必ず切ってください。また、該当のブレーカーを落とします。点灯直後のランプは熱いので、冷めてからの作業が安全です。
- 壁スイッチを切り、ブレーカーを落とす(点灯直後は冷めるまで待つ)
- カバーやプレートを外して、器具の状態を確認する
- グロー球を、ランプに付属の「LED専用スターター(ダミースターター)」に交換する
- 蛍光ランプを外し、LEDランプを取り付ける
- スイッチを入れて点灯を確認する


我が家では安定器に問題がなかったので、これだけでちゃんと点きました。作業自体は数分です。白くて明るくなり、体感でも明るさはアップしています(昼白色から昼光色に変えたことも影響しています。色選びは後の章で解説します)。
🔍 ここを間違えると点かない・危ない(落とし穴3つ)
グロー球の交換忘れ:グロー球を残したままだと正常に点かないことがあります。付属スターターへの交換もセットで行ってください(交換方式は商品により違うので、必ず説明書に従ってください)。
非グロー式の器具に取り付ける:ラピッド式・インバーター式の器具に付けると、点かないだけでなく発煙などの恐れがあります。判別チャートで確認してからの購入が鉄則です。
「工事不要」の文字だけで買う:「工事不要」にも種類があります。「グロースターター器具専用」の表記を確認してから買ってください。調光機能付きの器具や、屋外・非常用照明には使えません。
賃貸の方は、外した蛍光ランプとグロー球を捨てずに保管しておきましょう。退去時に元へ戻せるようにしておくと安心です。
💡 筆者のひとこと
15年以上の現場経験から言うと、この手の失敗は「商品選びの段階」でほぼ決まります。作業より、買う前の確認に時間をかけてください。
工事不要タイプの弱点:安定器は生きたまま残っている
正直に言うと、工事不要タイプは「完全な解決」ではありません。ランプはLEDになっても、器具の中では蛍光灯用の安定器が電気の通り道に残ったまま働き続けています。ここを理解して使うのが大事です。
🔍 安定器が壊れたら、結局点かなくなる
電気は「電源→安定器→LEDランプ」の順に流れているので、安定器が故障すればLEDにしていても点かなくなります。照明器具(安定器を含む)の適正交換時期は8〜10年が目安とされています(日本照明工業会)。10年を超えた器具は、ランプだけLEDにしても、先に安定器が寿命を迎える可能性があるということです。
すでに異音・異臭・点灯不良がある器具はNG:安定器の劣化が疑われる器具に工事不要ランプでしのぐのはやめてください。発煙などのリスクがあります。安定器の切り離しか、器具ごとの交換を検討する段階です。
🔍 安定器のムダな消費電力はどのくらい?
安定器は点灯中に自分でも電気を食います。一般に数ワット程度(40形の資料では5〜10Wというものもあります)です。ただ正直なところ、家庭の1〜2灯で「工事不要で手軽に済ませたい」なら、気にするほどの差ではないというのが私の感覚です。電気代のためにバイパス工事を急ぐ必要はありません。
🔍 それでも工事不要タイプで始めていい理由
グロー式の良いところは「あとで決められる」ことです。現実的な段取りはこうなります。
- 今は工事不要タイプでLED化して使う
- いつか安定器が寿命で点かなくなったら、そのとき「安定器の切り離し(バイパス工事)」か「器具ごと交換」を選ぶ
💡 筆者のひとこと
ネットで調べると「器具ごと交換しましょう」で終わる記事が多いですが、あれは器具や工事を売る側の理屈も混ざっています。私は器具を売る側でも工事を受注したい側でもないので、正直に言います。グロー式なら、焦って器具交換に踏み切る必要はありません。
【実演】安定器バイパス工事(片側給電)—ここからは電気工事士の領域
ここから先は資格が必要な作業です
バイパス工事とは、蛍光灯用の安定器を電気の通り道から切り離し、LEDランプに直接電源をつなぐ配線工事です。やること自体はシンプルですが、なぜ資格が必要なのか、プロが実際に何をするのか、全部お見せします。
🔍 なぜ資格が必要なのか
電気工事士法では、屋内配線や器具内配線の変更といった「電気工事」は、資格を持つ人しかできないと定められています(違反には拘禁刑や罰金の罰則があります)。一方で、ランプやグロー球の交換は消耗品の交換なので資格は不要です。つまり同じLED化でも、こう分かれます。
| 作業 | 資格 |
|---|---|
| ランプ・グロー球の交換(工事不要タイプ) | 不要 |
| 安定器バイパス工事(配線の切断・再結線) | 電気工事士が必要 |
また、改造した器具はメーカーの保証・責任の対象から外れ、改造を行った人の責任になります。業界団体(日本照明工業会)も、改造は工事業者などの専門家に相談するよう案内しています。資格の話は「法律で決まっているから」だけでなく、失敗したときのリスクを誰が背負うかという話でもあるのです。
🔍 【有資格者の実演】片側給電での配線手順(写真付き)
我が家の洗面台照明で、実際の流れをお見せします。
- ブレーカーを切り、電気が来ていないことを確認する(プロの標準手順です)
- ビスを外し、照明器具の本体を引き出す
- LEDランプの「給電側」の表示を確認する
- 給電側のソケットに電源がつながるよう配線し直す(片側給電)
- 安定器は配線を切って取り外す
- 器具を元に戻し、点灯を確認する




結線について補足すると、有資格者は規定に適合した差込コネクター(WAGOのワンタッチコネクターなど)を使って結線処理をすると簡単に工事が可能です。単線にもより線にも対応できるので、器具内の細い電線の処理にも向いています。これを使うと圧着工具が不要で工事が出来るので、専用工具は持っていないという方にはお勧めです。テスターや電線まわりの工具については、別記事でプロの工具箱を全部見せています。
🔍 片側給電と両側給電の違い

直管LEDランプへの電源の送り方には、ランプの片側だけに送る「片側給電」と、両側から送る「両側給電」があります。両側給電は、電源が入ったままランプを抜き差しすると感電する恐れがあるとして、業界団体も注意喚起している方式です。実際に配線してみても、片側給電の方が仕組みが単純で扱いやすいというのが私の実感です。今回は説明書どおりの配線でも点灯しましたが、最終的に片側給電で仕上げました。
🔍 安定器はどうする?(外した理由と処分)
切り離した安定器は、残しておいても意味がなく邪魔なだけなので、私は器具から取り外しました。外した安定器は、お住まいの自治体の区分(多くは不燃ごみや金属ごみ。自治体により異なります)に従って処分してください。
工事後は「LED専用」の表示が鉄則:バイパス後の器具に、あとから誰かが普通の蛍光ランプを付けると、大電流が流れてランプが破損・出火する恐れがあります。器具の目立つ場所に「LED専用(蛍光ランプ使用不可)」とわかる表示を残して、誤使用を防ぎます。業界団体も改造内容の表示を推奨しています。
この工事を業者に頼む場合の費用は、1灯あたり数千円が目安です(台数や現場条件で変わります)。これだけを頼むのは出張料含め高くなりがちなので、何かの工事と一緒に対応してもらうと安く済みます。その際は複数社に相見積もりを取ることをおすすめします。
💡 筆者のひとこと
作業時間は、慣れた人なら15分ほど。器具の外しやすさにもよりますが、資格を持っていて手順を確認しながらでも1時間はかからない規模の工事です。バイパス後の器具は「そのLEDランプ専用」になり、蛍光灯には戻せません。だからこそ表示が大事なんです。
失敗しないLEDランプの選び方(購入前チェック7点)
選び方はチェックリスト化できます。買う前にこの7点を確認すれば、「点かない」「危ない」はほぼ防げます。
🔍 購入前チェックリスト7点
- 「グロースターター器具専用」の表記があるか(工事不要で使う場合の大前提)
- 口金がG13か(今のランプと同じ差し込み口か)
- サイズが合っているか(15形・20形・40形など。既設ランプの型番に合わせる)
- 光の色(昼光色=白く爽やか/昼白色=自然な白/電球色=暖かい色)
- 「片側給電仕様」の表記があるか(両側給電は交換時の感電リスクが指摘されており、将来バイパス工事も視野に入れるなら片側給電が安心)
- 日本のメーカーか(説明書とサポートの確かさで選ぶのがおすすめ)
- 調光機能付きの器具ではないか(調光器具には使用不可。100%点灯でも不可です)
💡 筆者のひとこと
買いに行く前に、今付いているランプの型番(我が家ならFL15ENW)をスマホで撮っておくと間違いがありません。ちなみにこの蛍光灯はすでに生産終了。蛍光灯自体が2027年末までに製造終了へ向かっているので、「同じ蛍光灯を買い続ける」という選択肢はおすすめしません。
まとめ:グロー式なら今日からLED化できる
- ✅工事不要でLED化できるのはグロースターター式だけ
→判断の決め手はグロー球(点灯管)の有無。型番と点き方は補助 - ✅グロー式なら「専用LEDランプ+付属スターター交換」だけでOK
→「グロースターター器具専用」「G13」「サイズ」を確認してから買う - ✅工事不要タイプでも安定器は残っている
→安定器が壊れたら結局点かなくなる(交換目安は8〜10年) - ✅安定器バイパス工事は電気工事士の領域
→無資格は違法・危険。賃貸は貸主の承諾も必要。頼むなら他の工事とまとめた方が安い - ✅蛍光灯は2027年末までに製造終了へ
→使用禁止ではないので焦らなくてよい。次の交換タイミングでLED化が現実解
蛍光灯は水俣条約により、2027年末までに製造・輸出入が順次禁止されます。今使っているものが使えなくなるわけではありませんが、ランプの入手は少しずつ難しくなっていきます。グロー式のご家庭なら、次にちらつき始めたときが LED化のちょうどいいタイミングです。
グロー式でない器具や、すでに安定器が弱っている器具は、バイパス工事か器具ごとの交換を業者に相談してください(器具ごとの交換については、別記事で詳しく書く予定です)。その際は1社で決めず、複数社への相見積もりをおすすめします。
💡 筆者のひとこと
まずは今夜、洗面所のスイッチを入れて点き方を見て、プレートを開けてグロー球を探してみてください。そこが第一歩です。
🏠 我が家で実際に使っているのはコレ!
「結局、どのランプを買えばいいの?」
我が家の洗面台で実際に使っているのは、オーム電機の「LDF15SS・D/8/11 7」(品番06-4909)です。
選んだ理由
- 「グロースターター器具専用」+「片側給電仕様」の両方を満たす
- 日本メーカー(オーム電機)で説明書がわかりやすい
- 1,227円(購入時)と手頃で、LED5年保証対象
※15形用です。購入前に、お手持ちのランプのサイズ(15形/20形/40形)と品番(06-4909)を必ず確認してください。
\我が家で実際に使っている直管LEDランプ/
バイパス工事の結線でのおすすめ部品は、WAGOのワンタッチコネクター「WFR-2BP」です。※こちらは電気工事士の資格をお持ちの方(受験予定の方)向けの部材です。
\結線で使った差込コネクター(資格者向け)/



